「思いつきで進めてきた今作ってるシステム、実際に外注のプログラマーに頼んだらいくらくらいだったんだろう」
ふとそう思って、AIに計算させてみた。数字が出てきて、結構驚き。今日はその記録。ClaudeCodeにゴリゴリCode書かせてる人とか、これから始めたい人とか、実際に”人間”に頼んだらどのくらいのことやってくれるんだろって気になるよね。
そもそもの話
このシステムには前史がある(このシステム自体の思想の話は前に書いた→誰でもコードが書ける時代に、なぜオジイは「気づけない人」から仕事がなくなると思うのか)。もともとはDockerとdifyを入れて、ポンコツなローカルLlamaを無料で動かすところから始まった。使い勝手が良くて、嘘つかないAIが欲しかったから。並列処理とか、処理の受け渡しとか、わからないなりにチマチマ線をくっつけて役割を与えていって——気づいたらとっ散らかっていた。手を動かしながら理解を積み上げていった感じなんだけど、やっぱり設計図って本当大事だと改めて。
そこで登場したのが救世主Claude Code。今みたいに、やりたいことをAIにまとめさせて指示書を作って投げる、という今の制作スタイルに乗り換えてから、ようやく形になっていった。
面白いのは、この前史の部分にはコミット履歴が一切残っていないってこと。git(履歴の記録)すら初期化されていなかった。整理された記録として残っているのは、Claude Codeに乗り換えてからの分だけ。つまり今から出す数字は、「とっ散らかっていた時期」を一切含んでいない、いわば清書後のページ数でしかないのであしからず。
まず、生の数字
・開発期間: 12日間
・コミット数: 151
・コード行数: 本体だけで約2万行(2つのシステム合算)
・純増行数: 4万行書いて、3千行消して、差し引き3.7万行
これをベースに、2つの方法で「外注したらいくら」を試算してもらった。
方法1: 機能ベースの相場感(普通にAIに設計図と仕様書渡して粗々で算出した数字)
要件定義・設計・実装・QA・PMという工程ごとに、普通の受託開発の相場を積み上げる方式。だいたい850万〜1,600万円というレンジが出てきた。
方法2: コード行数ベースの伝統的な見積もり(ClaudeCodeに調査をさせた数字)
LOC(行数)から工数を弾く、業界で昔から使われている(らしい)計算式に当てはめると、1,500万〜7,500万円という、だいぶ幅のある数字が出てきた。
2つの方法で2〜5倍くらい開きが出るのが、これはこれで発見だった。AIが書くコードは、同じ機能でも人間が書くより行数が膨らみやすいらしく、行数だけで測る方式だと過大に出る傾向があるみたい。逆に言うと、「AIは行数だけは量産できる」ということの裏返しでもある。
で、実際に払った金額はというと
ここまで、数千万円という数字を並べておいてなんだけど、実際に払ったのは43$(約7,000円くらい)だった。
外注したら数千万円かかるかもしれない規模のものを、7,000円で12日間、自分の手元で完成させた。この差額を見ると、勿論、ニーズがあって採算が取れる事業のものや、大手のセキュアな改修なんかは”理にかなう”作業とは違う。けど、実際ただただ使い勝手の良いAIをつくるために出せる金額じゃないのはわかる。ガンプラの合わせ目消しを行ってる感覚に近い。理想の形をつくる「ものづくり魂」の金額と換算すると、非常に面白い結果にも思える。
数字の外側にあるもの
ただ、この数字はフェアじゃない部分もある。外注なら最初から要件定義書があって、仕様がブレるたびに追加見積もりが挟まる。今回のやり方は、そのブレを都度その場で直させる、というのに近かった。仕様書を書く手間を省いた代わりに、仕様書を書かなかったことのツケを、開発の途中で何度も払っている。
一番わかりやすいのが、検証用のデータを間違って消してしまった話や、削除したはずのチャットの内容がAIの記憶に残り続けていた話。どちらも、最初にちゃんと仕様書を書いていれば起きなかったかもしれない類の事故だった(このシステムの躾の記録は前にも書いた→「またそれ聞く?」——AIへの「イラッ」を仕様に変換し続けた6週間の記録)。
ちょっと補足(使ったことがない人向け)
実はここ、契約が2種類ある。
ひとつはClaude Codeを動かすための契約(月額定額のプラン)。これは「開発を手伝ってくれるAI」を使うためのもので、定額だから、どれだけ使っても値段は変わらない。
もうひとつは、自分で作ったOS(ojii-companion)を動かすための契約(API=使った分だけ払う従量課金)。OSがユーザーに返事をしたり、会話から学んだりするたびに、ちょっとずつお金がかかる。アイキャッチのメーターがじわじわ増えているのは、こっちの方。
「作るための道具代」と「作ったものを動かす燃料代」が別、と考えると分かりやすいかもしれない。
参考までに、ここまでかかった費用目安:
Claudeプロプラン:22$(作るための道具代・定額)
ClaudeConsole:21$(動かす燃料代・従量)


