あと一件だけ、が終わらん夜
たとえばお店をやってて、閉店時間を想像して欲しいさ。
まず、レジを締めるよね。
んで、電気を消す。
「今日も終わった」と思って、帰ろうとしたとき、電話が鳴る。
「明日の予約なんですけど、変更できますか?」
はいはい、予約ね。ありがたし。帳簿に記入。
帰ろうとしたら、また鳴る。
「来週の分も一緒に予約していいですか?」
それにも丁寧に返して帳簿に記入。
そうこうしているうちに、1時間経過。
晩ごはんはコンビニで買ったツナマヨおにぎりを、帰り道に歩きながら食べる。
……こういう夜、ないかいね。
特にお店を一人でやっている人なんかは、仕事が終わったあとも「受付」だけが終わらんのよね。
電話取らないって選択肢も、そりゃあるんだけど、そういう訳にもいかないっていうのが痛いところでもあるんじゃないかね。
「電話する」って、電話している時間だけじゃない
でよ、この話を書こうと思ったときに、ちょっと面白いニュースを見かけたんだわ。
GoogleのGeminiに、AIが代わりにお店へ電話してくれる機能が出てきたというニュース記事があったのさ。
たとえば、
「この店、今日予約できるかな」
「この商品、まだ在庫あるかな」
「この条件で予約できるところを探して」
なんてときに、自分で電話をかけるんじゃなくて、Geminiが電話して確認してくれる。
これ、最初に聞いたときは「へぇ、AIが電話までしてくれるようになったか」くらいだったんだけどよ。
よく考えてみると、「電話っていう行為」って面白くて。
人が電話に使っている時間って、実際に相手と話している数分間だけじゃないわけ。
まず、電話番号を調べる。
今かけて大丈夫かな、と考える。
何て聞こうかな、と考える。
つながるまで待つ。
つながらなかったら、また後でかける。
つながったら、自分の条件を伝えて、そのうえで相手の話を聞いて、それに答える。
それが終わったら、聞いたことを覚えておくし予約なら予定に入れる。
在庫なら、別の店と比較するしメモを取る。
つまりよ、「電話をかける」っていう仕事の周りに、小さな仕事がぶら下がってる状態なんだわけ。
Geminiが代わりに電話してくれるっていうのは、その数分間の会話を代行するだけじゃなくて、その周りにある面倒くさい部分まで、まとめて一個引き受けてくれるってことなんよね。
人間が疲れるのは、作業そのものじゃない
たとえば仕事で「これ調べといて」と言われたとする。
実際に調べるのは10分。
でも、その前に、
「どこを調べよう」
「この情報で合ってるかね」
「相手はそもそも何を知りたかったんだろう」
と想定する。
調べ終わったら、
「これ、どう伝えるのが正解か」
って考える。
実際の作業は10分なのに、気づいたら30分経っている。
これ、仕事ではけっこうあるさね。
電話もそうで「電話をかける」という作業そのものより、電話をかけるところまで自分を持っていくことに、意外とエネルギーを使っていると思うさ。
だからAIが電話をかけてくれるというのは「人間の電話代を節約する」っていう話だけじゃないんじゃないかって。
人間がやらなくてもいい最初の一手を、AIが代わりにやってくれる。
オジイは、こっちのほうが大きいと思うんだわけよ。
そう考えると、さっきの店の話も変わってくる
最初の話に戻るとよ、店を閉めたあと、電話が鳴る。
「明日の予約を変更したい」
これは、お客さんからしたら「電話をかける」という仕事。
店主からしたら「電話を受ける」という仕事。
同じ一本の電話なのに、両方にそれぞれタスクが発生している。
お客さんは用件を伝える。
店主は聞いて、確認して、帳簿に書く。
そして双方が「じゃあ、よろしくお願いします」となる。
この当たり前にAIが間に入ると、少し仕事の構造が変わる。
たとえば、お客さんがAIに「明日の予約を変更したい」と伝える。
AIが店に電話する。
店側と確認する。
そして結果をAIがお客さんに返す。
別に人間が不要になるわけじゃない。
むしろ、人間がやらなくてもいいところだけ、間に一枚入ってもらう。そういう感じなんよね。
「AIに返信させる」だけでは、出口は見えない
ここで、AIを仕事に使っている人なら一回考えてみてほしい。
たとえば問い合わせの返信文を書かせてる人って結構いるんじゃないかね。
昔に比べて圧倒的に文章を考える時間が減ってる。
丁寧な言い回しも考えてくれる。
でもよ、ClaudeCodeやcodexなんかで自動化してない限り、通常の作業内容としては
問い合わせが来る。
↓
メールを開く。
↓
内容を理解する。
↓
「これはAIに一旦返信を書かせよう」と考えてプロンプトを打つ。
↓
AIに投げる。
↓
AIが文章を書く。
↓
確認して修正する。
↓
送る。
これだと、文章を書くところは楽になっているけど、最初に問い合わせを受け取るところは、まだ自分なんだよね。
だから仕事用の携帯からは、もちろん仕事は入ってくるし、通知が鳴れば見るし、電話が鳴れば出るし、TeamsやSlackのアラートが鳴れば読むんよね。
んで「これは対応しないといけないやつだな」と頭の中で仕事に切り替わる。文章を書く時間を3分から1分にしたところで、この「仕事が入ってくる瞬間」そのものは消えないのよ。
ここをどうにかできないかね、という話なんだわ。
任せるのは「仕事」じゃなくてもいい
以前、AI活用が報酬や業務に染み渡ってきた話を書いたとき、「定型業務を丸ごと任せる」という切り口を取り上げたことがあってよ。
オジイは最近、AIエージェントを作りながら、業務の仕訳部分にある「役割」をよく考えるようになったのよね。
今、AIに「記事を書く」部分を自動化してるんだけど、これはある程度の仕事を任せているって状況よね。
エージェントに任せてる仕事を細分化すると、一言で「記事を書く」って仕事の中身は
・ニュースを記事を探す。
・候補を集める。
・どれを使うか決める。
・過去の記事を見る。
・今回の記事とのつながりを考える。
・構成を作る。
・文章を書く。
・文章をチェックする。
・画像を用意する。
・サイトにアップする
・アップされた記事を見て修正する(ここは人が担当)
・修正箇所を覚えて次の記事に活かす
・SNS用に変換する。
……と、いろんな「一手」が入ってる。
「ここはAI」「ここは自分」っていう明確な線が引けないと誰も見ない駄文が生成され続けるポンコツ工場になっちゃう。
だからこそ、構成や構造を考えて設計するのってすごく大事なのよね。
今回の電話AIも単純にAIがかわりに予約を取ってくれるっていうサービスに見えて、電話をかける時の面倒な確認の中に沢山のタスクが潜んでるって話だわけ。
じゃあ、自分はどこまでAIに託せるか
ここからが、今回一番やってほしいところ。
AIに仕事を任せようと思ったとき「AIに自分の仕事の何を任せられる?」から考えると、だいたい話が大きくなりすぎて実装が彼方に消えていくのよ。
だから逆に、「自分は今、仕事のどの一手で一瞬固まってる?」から考えてみる。
たとえば美容室なら、「予約変更の連絡を受ける」かもしれん。
飲食店なら、「仕入れ先に在庫を確認する」かもしれん。
教室をやっているなら、「問い合わせに返事をする前に、空き時間を確認する」かもしれない。
フリーランスなら「見積もり依頼を読んで、これは受けるべき仕事か考える」時かもしれん。
仕事そのものじゃなくていいのよ。
毎回、自分が思考を巡らせる小さな一手。
そこを見つけてみると、AIの活用方法が見つかるかもしれないさ。
AIオジイ式「仕事の自動化仕分け」プロンプト
自分の仕事にAIが入れる場所がないか、一回棚卸ししてみるといいさ。
以下をそのままChatGPTやGeminiなどに貼って使ってみてね。
仕事の内容聞かれるから、箇条書きで書いてあげれば自動化のヒントを教えてくれるさ〜。
AIオジイ式「仕事の自動化仕分け」プロンプト
以下をそのままChatGPTやGeminiなどに貼って使ってみてください。
あなたは、業務改善・業務設計・AI活用を専門とする業務分析コンサルタントです。
私の仕事を、単純に「AIで効率化できるか」ではなく、
・人間がやる必要がある仕事
・AIに任せられる仕事
・ルール化すれば自動化できる仕事
・AIと人間を組み合わせるべき仕事
・現時点では自動化しないほうがいい仕事
に分解し、実際に自動化へつなげられる形まで整理してください。
「AIを使えば便利です」といった一般論ではなく、
私が実際に何を自動化できるのかを、業務単位で具体的に判断してください。
【分析対象】
これから私が、自分が普段やっている仕事を思いつくまま書きます。
業務名だけでも構いません。
例えば、
・予約の電話を受ける
・問い合わせに返信する
・見積書を作る
・請求書を送る
・在庫を確認する
・SNSに投稿する
・売上を確認する
・資料を作る
・メールを確認する
などです。
文章が不完全でも、こちらで勝手に補完しすぎず、まずは書かれた内容を材料として扱ってください。
【STEP 1|業務の棚卸し】
私が挙げた仕事を、意味の近いものごとに整理してください。
ただし、最初から「AI化できる仕事」という分類にしないでください。
まず、
・業務名
・業務の目的
・発生するきっかけ
・実際に行っている作業
・完了条件
・誰が関係するか
を整理してください。
私の説明だけでは判断できない項目は「要確認」としてください。
勝手に事実を作らないでください。
【STEP 2|業務を作業単位まで分解する】
各業務について、
「一つの仕事」に見えているものを、実際の作業単位まで分解してください。
例えば、
「予約を受ける」
であれば、
1. 電話・フォーム・DMなどから問い合わせを受ける
2. 相手の希望日時を確認する
3. 空き状況を確認する
4. 条件を伝える
5. 予約を確定する
6. 台帳へ記録する
7. 必要なら確認メッセージを送る
というように分解してください。
ここでは「AIに任せるべき」という判断はまだしないでください。
【STEP 3|自動化可能性を評価する】
分解した各作業について、以下を評価してください。
■ 定型性
1〜5
同じ手順を繰り返す仕事か。
■ 判断依存度
1〜5
人間の経験・状況判断・交渉・感情的配慮などが必要か。
■ 入力の明確さ
1〜5
「何が入力されたら何をすればいいか」が明確か。
■ 出力の明確さ
1〜5
「何を返せば仕事が完了するか」が明確か。
■ 例外発生率
1〜5
通常とは違うケースがどれくらい発生するか。
※5ほど例外が多いものとしてください。
■ 発生頻度
1〜5
その作業がどれくらい頻繁に発生するか。
■ 人間による確認の必要性
1〜5
最終的に人間が確認しないと危険・不適切になりやすいか。
それぞれについて、点数だけではなく理由を簡潔に説明してください。
【STEP 4|自動化の方法を分類する】
各作業を、以下の5種類のどれに該当するか分類してください。
A|そのまま自動化
人間の判断がほとんど必要なく、ルール化できるもの。
B|AIに任せる
文章作成、分類、要約、検索、情報整理など、AIが得意なもの。
C|AI+人間
AIが下処理・候補作成・一次対応を行い、最後の判断を人間が行うもの。
D|通常のシステム自動化
AIよりも、フォーム・スプレッドシート・予約システム・API・ワークフローなどで機械的に処理したほうがよいもの。
E|人間が行う
判断、交渉、責任、重要な顧客対応など、自動化しないほうがよいもの。
重要なのは、
「AIにできるか」
ではなく、
「AIを使うのが最適か」
で判断してください。
【STEP 5|自動化するとどう変わるか】
A〜Dに分類した業務について、
現在:
人間が何をしているか
↓
自動化後:
何をAI・システムに任せられるか
↓
人間:
最終的に何だけを行えばよいか
という形で整理してください。
例えば、
現在:
問い合わせを読む
↓
内容を判断する
↓
返信文を作る
↓
送信する
自動化後:
AIが問い合わせを分類
↓
定型問い合わせは自動返信
↓
判断が必要なものだけ人間へ通知
人間:
例外対応と最終判断のみ
というレベルまで具体化してください。
【STEP 6|「自動化しない部分」も明確にする】
自動化の提案では、
「何をAIに任せるか」
だけでなく、
「何を人間に残すべきか」
も必ず書いてください。
特に、
・顧客との関係性
・クレーム
・金銭
・契約
・最終承認
・重要な判断
・例外対応
・ブランドや店の人格に関わる対応
などについては、なぜ人間を残す必要があるのか説明してください。
【STEP 7|優先順位を付ける】
自動化候補を、
「効果が大きい順」
ではなく、以下の3軸で評価してください。
① 時間削減効果
② 自動化の実現しやすさ
③ 人間の負担・ストレス削減効果
それぞれ5段階で評価してください。
そのうえで、
「すぐ自動化する価値があるもの」
「仕組みを作れば自動化できるもの」
「AI+人間で運用するもの」
「今は自動化しないもの」
に整理してください。
ただし、総合点だけで機械的に順位を決めないでください。
なぜその判断になったのか、理由も説明してください。
【STEP 8|自動化の設計図を作る】
「すぐ自動化する価値があるもの」について、
実際に仕組みを作る場合の流れを設計してください。
以下の形式で出してください。
【業務名】
■ 現在
人間:
↓
■ 自動化後
入力:
↓
AI / システム処理:
↓
判定:
↓
人間への通知:
↓
最終処理:
■ 必要になりそうなもの
・AI
・フォーム
・データベース
・メール
・API
・カレンダー
・スプレッドシート
・自動化ツール
など
■ 人間が確認するポイント
■ 想定される例外
■ 例外が発生した場合の処理
【STEP 9|「AI化」ではなく「仕事そのものを減らす」視点】
最後に、非常に重要な分析をしてください。
現在行っている仕事の中に、
「AIで効率化するより、そもそも発生しないようにしたほうがいい仕事」
がないか探してください。
例えば、
問い合わせが多い
↓
AIで問い合わせ対応を自動化
だけではなく、
問い合わせが発生する原因をなくす
↓
必要な情報を事前に提示する
↓
問い合わせそのものを減らす
という方向も検討してください。
つまり、
「AIで仕事を速くする」
だけではなく、
「仕事そのものを減らす」
可能性まで検討してください。
【最終出力】
最後に、私の仕事全体を以下の形式でまとめてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 人間がやるべき仕事
・○○
・○○
■ AIに任せられる仕事
・○○
・○○
■ AI+人間でやる仕事
・○○
・○○
■ 通常のシステムで自動化する仕事
・○○
・○○
■ そもそも無くせそうな仕事
・○○
・○○
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 最初に自動化するなら
1.
業務:
理由:
期待できる効果:
必要な仕組み:
2.
業務:
理由:
期待できる効果:
必要な仕組み:
3.
業務:
理由:
期待できる効果:
必要な仕組み:
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 最終的に人間が残す仕事
「AIに任せた結果、自分は何に集中できるようになるのか」
を文章で説明してください。
【重要なルール】
・AIを使うこと自体を目的にしない
・AIより普通の自動化のほうが適している場合はそう判断する
・人間が判断すべき仕事まで無理に自動化しない
・業務の内容が不明な場合は勝手に想像せず質問する
・「AIで効率化できます」という抽象的な回答は禁止
・実際の業務フローまで落とし込む
・自動化した場合に残る人間の仕事まで明確にする
・一つの業務を丸ごとAI化するのではなく、作業単位で分解する
・自動化によって新しい確認作業が増える場合は、それも指摘する
・自動化によるメリットだけでなく、誤処理や例外対応などのリスクも示す
まずは、私がこれから書く仕事内容を受け取ってください。
この段階では分析を開始せず、
「仕事内容を送ってください。箇条書きで構いません。」
とだけ返してください。
結局、お店を閉めるってシャッターを下ろせばいいって事じゃないんよね
最初の話に戻ろうかいね。
レジを締めて、電気を消して、最後にシャッターを閉める。
それでやっとこ、お店は閉まる。
でもよ、仕事モードから解放されるには、もう一手必要なのかもしれないよね。
「これは今日じゃなくていい」
「これは明日の朝でいい」
「これはAIに任せていい」
「これは自分が受ける」
そういう線っていうルールを明確にしておく。
そうすれば「あと一件だけ」が、少しずつ減っていくかもしれないさ。
オジイ自身も、AIエージェントを調整してるんだけど、学習機能の心臓部が死んでいて、修正じゃなく結局イチからブログを書くという、なんともアナログな事をAIにやらされているってオチなのよね(笑)
引いたはずの線に躓くのもまた、人間ぽくていいやね。
てことで次回もお楽しみに!

